読書感想ブログ

読んだ本について思ったことを片っ端からなんかしら文字に起こす修行場。

言葉の躍動感がすごい砂の女

 

砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

 

 昨日は更新できませんでした、ワーッ

深夜2時過ぎまで阿部公房の砂の女を最後の行までむさぼるように読み、主人公と同じようにがっくり項垂れて寝ました。

先に進めば進むほどどうなる!?どうなる!?って手に汗握るような、食い入るように文を追い、目が大げさに上下に動いてるのがわかる本でした。な、何を言っているんだ・・・?

最初の、警察が失踪した男(主人公)を調べにくる場面でとりあえず男が7年間は行方不明だと明記されるので、男は死ぬんだろうなぁ…と推測はできるんですけど、そんな簡単な話じゃなかった。

一泊するつもりで部落の老人に言われるがまま砂の穴にぽつんとひとつある、女が住む家に招かれる…からの砂の穴監禁生活な話です、が

あんまり感想書くとネタバレなのでおすすめだとしか言えない!

作者の砂の知識が尋常じゃない。専門家か?ってレベル…専門家よりオタクって分野かな…当時(昭和50年代)ネットが無い時代、どれだけ調べたん…?すごい。物を書くには表現する以上の知識がいる、ってのがものすんごくわかるやつでした。

現実の世界に楽しみなどなく、唯一情熱をかけてることは昆虫採集、新種のハエを見つけてそれに自分の名前つけて自分が存在した証にする、という、ハエにすがるより他にもっと楽しいことない!?って言いたくなるなんか残念な男。

この男の価値観もウッてなります。そんな人物だからこそ、砂の中の生活と、現実の無気力に教師として生きている生活、どっちもどっちなのではないか?

現実の生活と砂の穴での生活、何が違うという?むしろ砂の穴にいるほうが生きること、自由への執念に生き生きしてるのではないか?っていう考えさせられるお話しでした。

この著者の「壁」もなかなか面白かったけど私はこっちを推します。いや~どっちも主人公ろくな目に合わないんだなぁ