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読書感想ブログ

読んだ本について思ったことを片っ端からなんかしら文字に起こす修行場。

戦争体験の描写がリアルすぎてしんどい

 

野火 (新潮文庫)

野火 (新潮文庫)

 

 野火読了です。

こいつぁやべぇ・・・!!!!!!

怖すぎでした。私の戦争への想像力なんか塵に等しいのにフィリピンの熱帯の地方を、実際に生い茂る草をかき分け、飢えと渇きで足を引きずって歩いた感が残る…完全に追体験をした。私の魂はレイテ島で死んだ、大げさに言ってます。

敵国の米兵と戦ってなんかいない。目と鼻の先にいる米兵と日本兵の立ってる土台の圧倒的な富の差がむごい。

何故そこにいるのか?意味の無い若者の死が次々に襲ってくる、飢えのあまり人間が人間を食す異常な空間、人間とは何を成して人間と呼べるのか?何をしたら人間ではなくなるのか?

主人公は壮絶な戦争体験をし、後に病院で目覚め、記憶が欠落していたり精神が分裂してたり人を信じられなくなったり、主人公の体験してきたことを思うと無理もない結果になるんですが、

物を食べることに一種の儀式をした。同室のものは私を狂人だと見なした、

私はいかに自分の肉体を養う要請にいずるとはいえ、全て有機物から成り立っている食べ物を食べることを、その有機物の以前の所有者であった生物たちに、まず詫びるのである。

私としては、むしろ少しも自責無くこれを行っている人間どもが不思議でならない。

この考え方は極限まで行ったものにしか考えが及ばない考え方、感じ方、精神構造をしているなぁと…「自分」と「人間」が完全に切り離されてしまっているのが…

逃げる同胞を殺め、手首足首を切り落とし、「サルの肉」として干して食べる。お互いがお互いを食えるか品定めする目、「俺が死んだらここ食べてもいいよ」と隣で死ぬ同胞、死んだ兵士の血を吸うヒルから間接的に血を飲む行為、目の前で寝食を共にしてたもの同士が殺し合う、、、ここまで行って人は人の感覚を無くすのかな…

すごすぎますね。。。人間ってこんなになってしまうのか…?私なら持ってる銃で自殺して一足先にログアウトする。私が私として存在していた原子などどうでもいいので。

30そこそこの賢い日本人がこういう体験をしたりしたのか~と思うと日本を恨むなぁ。この人たちは生まれてからずっと戦争状態だったわけじゃない。戦争に慣れていたわけでもない。

平和な日本を経験して、母から愛され、カフェでコーヒー飲んだり、読書にふけったり、ナンパしたり、遊園地に行ったり、政治について語ったり…今の私たちと同じ楽しみがある人生だったのになぁ

戦争はどんな形であれ絶対にやってはいけないことだとリアルな追体験によってより心に染みました。

これ映画もやってたんですね。あー、話題になってたからこの青空の画像覚えてるなぁ。見よう。。。

はぁ~~…大量の米と肉とすき焼きセットを持って時空を飛び越え差し出したい。。。

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